7月3日に発生した九州豪雨災害。日を追うごとに被害の拡大が報道されています。
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けるなかでの災害は、「なぜ、こんなにも大変なことばかり続くのか……?」という気持ちにさえさせられます。
ですが、遠くから嘆いてばかりもいられません。災害の渦中で耐え忍ぶ方々のために、迅速に支援の取り組みを進める人たちがいます。
場所や時間の制約があってもできることのひとつは、すでに行動を起こしている人を支えること。
この災害に遭った方々の苦しみに、少しでも寄り添う方法をご紹介します。
BRIDGE KUMAMOTO®基金
コロナ禍では、県外からのボランティアの支援は難しいものとなります。
「少ない人数で尽力している地元ボランティアたちに、せめて飲み物や必要なものを届けたい」
そんな思いで立ち上げられた支援基金です。復旧支援活動を行うボランティア団体のほかに、被災された方や現地活動を後方から支援する活動団体や、神社など住民の拠り所への寄付を想定しています。
熊本地震をきっかけに生まれた、地元のクリエイティブ・エージェンシー「BRIDGE KUMAMOTO」と、「くまもと未来創造基金」が共同で設立しました。
BRIDGE KUMAMOTO®基金の特徴は、透明性の高さ。通常の寄付は、現地で活動する団体に届くまでに時間がかかりますが、できるかぎり早く、復旧支援活動を行っている顔の見える団体に寄付し、使いみちの公開を行うといいます。
さらに驚くべきは、そのスピード感。豪雨があった7月3日に被害状況が明らかになったところで、地元・熊本のクリエイティブ・ディレクターの佐藤かつあきさんらが中心となり、プロジェクトが発足。わずか1日でBRIDGE KUMAMOTO®基金が立ち上げられたのです。立ち上げから2日経った7月5日時点で500万円近くが集まっています。
BRIDGE KUMAMOTO代表理事 佐藤かつあきさんコメント
「BRIDGE KUMAMOTOは、熊本地震をきっかけに設立された団体です。広告制作やグラフィックデザイン、映像制作などの業務を請負い、一部を復興支援団体に寄付する形で、社会課題に挑んできました。コロナ禍の熊本で起きた豪雨災害。この日のために、熊本地震から4年間、活動をしてきたのだとと確信しました。すでに、現場で活動する地元ボランティアがいます。彼らに必要なものを1秒でも早く届けたい。冷たいお水を1本だけでも良い。ぼくらの小さな支援が、彼らの背中を押します。必ず、届けます」
▽募金サイト
https://syncable.biz/campaign/1144
老舗お箸メーカー「ヤマチク」
熊本県の北部に位置する、南関町の老舗お箸メーカー「ヤマチク」。半世紀以上、熊本県で純国産の天然竹からお箸を作り続けています。
70seedsとしてはPRを支援をさせていただいている縁もある同社。地元・熊本県への愛をいつも感じています。
6月には、「地元のよいものを、県内外の人に知ってほしい」と南関町名物のそうめんとお箸のセットを発売。地元である南関町を、熊本を盛り上げたい一心で事業に取り組んできました。
九州豪雨では、自社の工場も浸水の被害に遭うなか、7月のオンラインショップ売上の40%を寄付することを表明。支援用のお箸も企画中です。
ヤマチク専務 山﨑 彰悟さんコメント
「コロナ禍で支援には行きにくい。もどかしい思いをしている人もおおいことでしょう。でも、遠く離れていても、できることはあります。想像する、目に止まった寄付の情報をシェアする……。できることを全力で。私たちも、お箸メーカーとしてできることをやっていきます」
▽「ヤマチク」オンラインストア
https://yamachiku.stores.jp/
お酒のセレクトショップ「ものがたり酒店」
ものがたり酒店は地方の小さな蔵元のお酒だけを扱っている、日本酒、焼酎の専門店です。「東京からものがたりのある小蔵元を応援している」という同店。熊本地震の際には「落語と試飲会」を東京で開催し、収益金を赤十字を通して熊本県へ寄付。さらにコロナ禍では、店頭でマスクを販売し収益金で取引先の小蔵元にマスクを贈って応援してきました。
九州豪雨では、7月4日にマスク500枚とペットボトル240本を発送しました。第2弾として6日から8月31日までの期間、人吉・球磨地方の商品の売上金の10%を寄付することを表明しています。
「これからも小さな蔵元を応援する活動を続けていきます」と決意を新たにしているといいます。
#人吉・球磨地方応援プロジェクト
8月31日までに球磨焼酎、球磨茶など
人吉・球磨地方の商品をお買い上げいただいた金額から10%をお見舞金として、人吉・球磨地方の蔵元、商店へお送りします。
是非、プロジェクトにご参加ください。
店頭、オンラインショップにてお買い求めいただけます。— shop@monogatari-sake.com (@_monosake) July 7, 2020
▽「ものがたり酒店」HP
https://monosake.com/
▽オンラインショップ
https://ec.monogatari-sake.com/
▽「ものがたり酒店」公式ツイッター
https://twitter.com/_monosake
銀座の洋菓子店「銀座ウエスト」
1947年の創業以来、材料本来の風味を生かすべく『職人の手作業による成型』にこだわっている銀座の洋菓子店。
これまでも災害が起きると「シュークリームプロジェクト」と称して義援金を募ってきた「銀座ウエスト」。今回も被害から3日後には、公式ツイッターで、シュークリーム1個販売につき50円を義援金として寄付することを表明しています。
2020九州豪雨災害の一日も早い復旧をお祈りすると共に被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。ウエストでは本日7月6日(月)よりシュークリーム(クリームパフ・エクレア等含む)1個販売につき50円を義援金として寄付致します。皆様の温かいご支援をお願い申し上げます。テークアウト夕方5時迄。 pic.twitter.com/JIgX3Ycgno
— 銀座ウエスト (@ginzawest) July 6, 2020
▽「銀座ウエスト」HP
https://www.ginza-west.co.jp/
▽「銀座ウエスト」公式ツイッター
https://twitter.com/ginzawest
この記事でご紹介した取り組みだけでなく、これから様々な支援活動が生まれてくることでしょう。それらの中から、自分が託したいと思う相手を支えることも立派な支援の形です。
現地に行くことだけが支援ではありません。いつ、どこでどんな災害が起きるかわからない今の日本。明日は自分が「助けを求める側」になるかもしれないからこそ、それぞれができる範囲で助け合っていくことが大切だと考えています。
コロナ禍の災害で、私たち一人一人ができることは少ないかもしれません。でも、その力を集めれば何かの力になれるはず。この記事が、誰かの道しるべとなれば幸いです。