大川 史織
1988年、神奈川県生まれ。 大学卒業後マーシャル諸島で3年間働いて帰国。夢はマーシャル人も驚く大家族の肝っ玉母ちゃんになること。

立川駅から青梅特快で30分のJR青梅線小作駅に、素敵なガラス工房「glass studio Rainbow Leaf 」があります。

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先日、工房で行われている「ガラスづくり体験」(1回・1作品 ¥3000〜)に参加してきました。(要予約)

制作できる作品は、コップ、一輪挿しの花瓶、小鉢、の3種。

好きな色を選択し、ヒビ割れ、水玉模様も好みによって入れることができます。

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「ゴゴゴゴゴ〜」と熱気と共に轟く炉が3つ並んだ工房で体験スタート。

焼酎や日本酒などの廃ビンを洗浄し、細かく割ったガラスは、約1300℃のメラメラと燃える炉の中で液状になります。

まずは、一連の動作をオーナーの平岩さんとリハーサル。

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吹き竿に一定量の息を吹き込みます。

再生ガラスは固まるのが早いため、作業にはスピードが求められます。

軽快な平岩さんのナビゲーションに従って、ぷくーっと膨らむガラスを想像して息を吹き込み、ガラスの口を広げ整える作業を練習しました。

イメージができたら、いざ本番。

棄てられたガラスがこの炉の中から新しい命として誕生するまでの過程に、ロマンを感じます。

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一瞬一瞬で姿形を変える火玉に向き合う平岩さんの所作に、無駄な動きはひとつもありません。

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トングでガラスを回しながら形を整えます。

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コップの飲み口部分を作るため、吹き竿とガラスの接触部分をハサミで切り落とします。

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吹き竿を回転させながら、トングで幅を調整して飲み口をちょうど良い大きさに押し広げます。

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その間約30分。鉄棒とガラスの接点を均して完成です

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「明日、釜から取り出したら、緑色に見えるガラスはスカイブルーに変わっています。」

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ガラスは冷めるにつれて、キラキラと透明な輝きを増すそう。

どんなスカイブルーに仕上がっているのか、完成品の到着を楽しみに工房を後にしました。

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工房の隣には、今年併設されたばかりの素敵なショップがありました。自然光を浴びてキラキラと光輝く平岩さんのガラス作品が賑やかに並んでいます。

ガラス体験で火照った身体を、頂いたアイスコーヒーで冷ます間、平岩さんと琉球ガラスの出逢いを伺いました。

平岩さんと琉球ガラスとの出会いは、油絵専攻だった美大生の時に出会った一冊の本でした。

青梅で生まれ育った平岩さんは、琉球ガラスの美しさと琉球ガラス職人のガラスに対する姿勢に魅せられ、沖縄にひとっ飛び。戦前からある奥原硝子製造所で修行を積みたいと突撃訪問で弟子入りの交渉を果たし、単身沖縄へと渡りました。入院、結婚、出産、と様々な岐路を経て、5年前から地元・青梅に戻り、子育てをしながら工房を開いています。

廃ビンを利用して生まれるガラスには、ほんのりと計算できない色がつくといいます。

ガラスなのに、ぬくもりを感じるあたたかみ。

器の用途を限定しない平岩さんの作品は、「Rainbow leaf」−虹のような色の一瞬の変化、葉のように柔らかな印象の作品を表現したい、という願いが込められています。

ぐいっと麦茶を飲み干せるサイズの人気作品「ヒッチーグラス」。

普段使いのコップとしての使いやすさを追求したデザインが特徴です。

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3.11の後には、「ゆいまーる」と題した新作品を発表。

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「ゆいまーる」は、沖縄の方言で「助け合い」。

カラフルな色を一列に配置したデザインは、「互いに手を取り合い、助け合う」という気持ちを表現しています。

他にも、ショップにはデンマークの硬貨(ハート模様の刻印がある)を鈴代わりにしたガラスの風鈴や、一輪挿しの機能を併せ持つ箸置き等、平岩さんのアイデア作品が目白押し。

数日後、制作したコップが届きました。

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ビールが美味しい季節に、マイ琉球ガラスで晩酌する贅沢は格別です。

編集部・okawa


glass studio Rainbow Leaf 工房/ショップ

http://www.rainbowleaf.jp/

住所:東京都青梅市新町2-34-10

※ガラス教室/体験教室の詳細はこちら。(ペア割料金あり)