岡山 史興
70Seeds編集長。「できごとのじぶんごと化」をミッションに、世の中のさまざまな「編集」に取り組んでいます。

昨年70seedsで取材、記事化し話題を集め、STOREでも高い人気を誇る竹炭インテリア「TAKESUMI」。日本各地の里山で深刻な社会問題化している「竹害」を解決するために始まったこの事業では、次々と新しい作品が生まれ国内外で着々とファンを増やしています。

 

今回の記事は、70seeds STOREでの限定商品取り扱いを記念したインタビュー。今では少なくなってしまった竹炭を焼く職人の技術と、インテリアとしての完成度を高めるアーティストの感性、その両方が合わさって生まれたこの作品について竹炭アートクリエーター南眞紀さんに話を聞きました。


 

竹炭職人が育つためにも、「使われるもの」を

‐南さんは「竹炭アートクリエーター」。珍しい肩書ですよね。なぜこの道を選んだんですか?

元々「里山を守りたい」というのがきっかけの想いです。「竹害」というんですが、竹は放っておくとすごい勢いで繁殖してしまって、地滑りの原因となるんです。だから切るのも大変だし、切っても使い道がない、そうして切る人が少なくなっていく。そんな竹の再利用で始めたのが20年前でした。

‐切った竹の使い道、として竹炭に目をつけたんですね。

はい。でも今日本では竹炭の職人さんが減ってしまっているんです。海外の安い竹炭に押されてしまって、盛り返したいなと。後継者の方を育てるためにも、国産の竹炭を使ってもらえるようにしたいと思ったんです。

‐竹炭自体は結構使われているイメージでしたが、なるほど。「国産」ではないものが多いんですね。

竹炭には良く知られる消臭の効果、調湿の効果がありますよね。それにインテリアの意味を持たせたのが「TAKESUMI」なんです。見て楽しめるものを、ということで。

 

炭を知ってしまったら、好きになってしまった

‐そもそもなぜ里山に関心を持ったんですか?

東京農大一校に通っていたんです。なので、里山が身近にあったというか。周りも農大関係者や造園業者が多くて。当時環境問題に興味を持って、川を守る、みたいな記事を書いたりしていたんですけど、自分も何かしたいなって。そのときにゼロ・エミッション(リサイクルなどでゴミを最終的にゼロにしようという考え方)に出会って、その実現に一番いいのが竹なんじゃないかって思ったんです。

‐竹がゼロ・エミッションに?

竹って切っても切っても1日で2~3メートル伸びてしまうんですよ。だからどんどん製品にできる。しかも竹炭にしたらそのままでにおいや有害物質を吸着してくれるし、粉砕した炭だと河川の浄化などに使えるっていう。

‐すごくお得ですね(笑)。

はい、私自身もこの20年、家に人が来ると「においがしないね」って言われ続けているくらい(笑)。国宝が所蔵されている正倉院の床下にも竹炭が使われているそうですよ。調湿機能とかシロアリ除けになっているんだそうです。

 

竹炭は、音も楽しめる「偶然のアート」

‐アーティストとしての視点から見た竹炭の魅力ってどこにあるんでしょう?

みなさん、竹炭って黒だと思ってると思うんですけど。

‐黒じゃないんですか?

実際はチャコールグレーなんですよ。光の当たり方では銀色に輝いて見えるし、焼き上がりによって音も違う、陶器みたいな音がするんです。

‐繊細な世界なんですね。

偶然の産物としてのアートですよ。こういう風につくりたい、からではなく、いくつかある中でできてくるもの。炭を焼くまでにもかなりの時間がかかっていますし、持ってる水分を飛ばさないとかびたりしますからね。徹底的にやる方はいぶしの工程を2回くらい入れたり、1年かけて竹炭になっていくものもあります。

‐圧巻ですね。今回の限定作品では70seeds STOREで一番人気の多肉植物との寄せ植えになっていますが、TAKESUMIならではの掛け合わせはどうやって生まれているんですか?

この竹炭というアートとフラワーデザインをつなげたらどうなるだろうか、って考えるところからですね。それから一本一本、竹の枝ぶりのいいところをとって合わせて。使っていただく方に楽しんでもらえるように。竹炭は本当にアートなので、一生懸命とっても割れちゃったりするのがまた難しかったり。

‐それだけの手をかける想いはどこからくるんでしょう?

好きだからですよね。今も、見ているうちにどんどん好きになっています(笑)。

   

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