「ガングロ」
と今の女子高校生に言っても「え、なにそれマグロの種類?」と返されそうですが、
「ダサい」
は現在でも意味が通ります。
ところが、現在のアラサー世代にとって懐かしい響きのある「ガングロ」は1998年に流行した言葉で、「ダサい」は昭和ど真ん中にあたる1979年の流行語。
古い言葉の方が生き残っているんですね。
時代とともに廃れゆく言葉もありますが、時代を生き抜く言葉たちもあるもの。
戦後に生まれ、たくましく生き抜いてきた言葉。
社会の荒波をたくましく生き抜くビジネスマンたちに、今でも馴染みの深い8つの言葉を紹介します。
「ノルマ」の起源はソ連の収容所だった!?
働く社会人にお馴染みの「サマータイム」と「ノルマ」
これらは戦後間もない1948年に流行った言葉でもありました。
この年に導入された「サマータイム」ですが、想像していたほどの効果がなく、4年後の1951年に廃止。一方、「ノルマ」はロシア語が起源。戦時中に抑留されていたソ連からの引き揚げ者が、収容所での労働にノルマを課せられていたとする話から広がりました。
「サマータイム」も「ノルマ」も流行から67年経った言葉だったのです。
CMでもおなじみ、「とりあえずビール」は御年60歳!
「とりあえずビール!」が出来なかった戦後。
1948年に生まれたのが、ノンアルの代表でもあるホッピーでした。
戦後、ビールが高嶺の花であったため、代わりに多くの人の喉を潤しました。
しかしその後、ビールが普及していったことで、数年前のリバイバル・ブームが訪れるまでホッピーは日陰の存在へ・・・。
そんなビールの文化でもある「とりあえずビール!」が一種の慣習となったのは1955年からと言われています。
60年ものあいだ居酒屋では「とりあえずビール!」が交わされ続けているのですね。
ⒸNovafly
一方、職場での味方「インスタントコーヒー」が売り出されたのは、1960年。
森永製菓からの発売でした。
ビジネスマンの健康と縁の深い「人間ドック」と「ストレス」
1954年に誕生した言葉といえば「人間ドック」。
人間「ドッグ」と勘違いされることもありますが、正しくは「人間ドック」。船渠(船を修理・点検するための設備)を意味する英語dockに由来しています。
人間ドックを本格的に始める際の試運転には、画家・東山魁夷、政治評論家の細川隆元も参加していました。
反対に、健康の大敵である「ストレス」は1957年に流行語になっています。
「ストレス」研究のハンス・セリエの来日にともない流行したと言われています。
[モデル OZPA]
オフィス・レディーの登場
「OL」といえば、オフィス・レディー、つまり働く女性。しかし、言葉として「OL」が登場したのは1964年のこと。
それ以前にも、秘書職につく女性たちはいましたが、「BG」(ビジネスガール)と呼ばれ、バーガールと誤解されてしまう恐れがあったため、『女性自身』誌上で新しい呼称を募集。
その結果、「OL」=オフィス・レディーは誕生したのです。
[モデル Lala*]
何の気なしに使っていた言葉も、戦後と関わりのあるもの。使っている人よりも歴史が長い場合もある、「生き抜いてきた」言葉たち。
改めて、戦後の上に現在の生活が成り立っているのだと気付かされますね。