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【取材、その後。】問いかけられた“自分の頭で考える”こと~アウシュビッツと中高生~

今から約1年半前、70seedsでは、保護者と教員による共同運営、というユニークな経営で知られる湘南学園中学校・高等学校を取材。その中で「ポーランド・リトアニアヒストリーツアー」に参加した生徒、教師の姿、それからツアーのコーディネートに取り組んだ早稲田大学「千畝ブリッジングプロジェクト」について紹介しました。

 

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その後も、湘南学園と千畝ブリッジングプロジェクトではこの取り組みを継続しており、2017年初め、当年度のヒストリーツアーの参加者による発表会を開催するとの連絡が、70seeds編集部にも届けられました。

 

生徒たちツアーで何を見て、何を感じ、どんな変化を得たのでしょうか。今回の「取材、その後。」では、そんな湘南学園生徒たちの発表会の様子をお届けします。

 

 


 

今年で3回目、少しずつ大きくなるプロジェクト

 

発表会当日、会場に集まったのは70~80人ほど。その中には学校関係者だけでなく、生徒たちの発表を聞こうと参加した近隣住民の姿も。

 

3年目を迎えた今回は、湘南学園の生徒たち、千畝ブリッジングプロジェクト担当者の発表に加え、「ホロコースト教育資料センター」の理事長である石岡史子さんの講演がプログラムに。このプロジェクトが、少しずつ大きくなっていることを感じさせます。

 

発表会最初のコンテンツは、千畝ブリッジングプロジェクトの担当者による活動についてのレクチャー。

 

 

アウシュビッツを見た眼、杉原千畝の行動を理解した心

 

今回ヒストリーツアーに参加した生徒は中学生、高校生合わせて12人。それぞれアウシュビッツで印象に残った場所や、ツアーを通じて杉原千畝の印象がどう変化したかを発表します。

 

生徒たちのプレゼンの一部から

 

生徒たちのプレゼンの一部から

 

アウシュビッツで見た「きれいな風景」。しかし、その背景にある歴史も目に焼き付けた生徒たち。

 

発表の中で彼らは、「杉原千畝のように、自分の意見をしっかりと持って行動できるようになりたい」「杉原千畝のことをもっと伝えていかなければならないと思った」と語りました。アウシュビッツの悲惨な状況を見てきたからこそ理解できる、杉原千畝の行動。自分たちの中でその行動の意義を深くとらえ直し、そこから自分には何ができるのかを考えるようになったことが、発表を通じて聴衆にも伝わります。

 

生徒たちのプレゼンの一部から

 

生徒たちのプレゼンの一部から

 

 

どんな人が“他人”を助けられるのか

 

発表会の最後を締めくくったのは石岡さんと、生徒たちによるディスカッション。

 

石岡さんは生徒たちに「どんなものが人を殺す“武器”になるのか」「どのような人が“他人”を助けられるのか」など、大人でも窮するような問いを投げかけます。ディスカッションの場で生徒たちが苦悶する中、参加する大人たちにも「周りに流されてばかりで自分で判断することを怠っていないか」と、投げかけられているような、そんな緊張感が会場を包んでいました。

 

世界で孤立主義的な動きが高まっている現在、自分たちがどう判断しどう動いたらいいのか、“アウシュビッツの時代”に触れることで、その答えが少し、見えてくるのかもしれません。