伊藤 大成
1990年、神奈川生まれ。島とメディアをこよなく愛する25歳.

戦後日本を象徴するキャラクター「鉄腕アトム」にちなんだ「アトム通貨」。
高田馬場生まれの通貨が、地域通貨の成功例として注目を集めるその秘密に迫るこの企画。

 

早稲田周辺のアトム通貨にまつわる様々なお店を探訪してきた今回の取材も気づけばお昼過ぎ、その足はお腹を満たす出会いを求めて、高田馬場の商店街へと向かっていた。

 

 

手塚治虫が愛した味!絶品やきソバを味わって通貨ゲット

早稲田大学や古本屋が立ち並ぶ早稲田地区から歩いて15分程、高田馬場駅の西側に広がる高田馬場西商店街は、手塚治虫の仕事場があったゆかりの地。その一角に、手塚治虫本人が考案したメニューを食べられるお店があるという。

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(写真:お店の名前は「一番飯店」)

 

表の看板を見てみると・・・

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あった!「手塚治虫の愛した具沢山あんかけ焼きソバ」。早速お店の中へ。

~店内~

‐すみません、表に書いてあった手塚治虫先生が考案したメニューを食べたいんですけど・・・

一番飯店 店長 「はい!ありますよ。」

– 「じゃあ、その焼きソバをください!あと、アトム通貨も取り扱ってますか?」

店長 「アトム通貨ね!自分のお箸を用意して待っててくださいね!」

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店長 「はい、まず先にアトム通貨を渡しますね。自分のお箸を持参してくれたので10馬力です。」

‐ありがとうございます!!

店長 「それから、ご注文の具沢山あんかけ焼きソバです。」

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出てきた焼きソバはすごいボリューム・・・!これは期待できそう!

手塚治虫先生への想いを込めて、早速いただきます。

‐沢山入っている具がそれぞれ味が違って非常に食べ応えがあり、すごく美味しいです!

店長 「ありがとうございます(笑)」

 

– この焼きソバ、手塚治虫先生が発案したというのは本当ですか?

店長 「そうです!私が手塚先生の仕事場に出前に行ってた時の話なんですがね。仕事が忙しくて外に出れないから、栄養の取れる焼きソバを作って欲しいって言われたんです。

先生は1日1食しか食事を取らなかったから、お好きだった八宝菜を含め思いつく限りの具を入れたらこんなボリュームになってしまいました(笑)」

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– なるほど!手塚先生の為に作られた料理なんですね・・・!

店長 「ちなみに、手塚先生からとても物腰低くお願いされました。『もしよければ僕の好きなメニューを作ってくれない?』みたいな感じで。焼きソバを初めてお出しした時も、非常に喜んでくれましたね。

そんな先生へはお亡くなりになる直前まで出前を続けていました。そんなこんなで先生とは長いお付き合いがあり、アトム通貨の取り組みにも積極的に関わらせてもらっています。」

– 店長さんと手塚先生の深いつながりを感じさせますね。

店長 「そうですね。アトム通貨以外にも、手塚先生に関することには、色々と取り組んでいるんですよ。先日はこんな本も出させていただいたんですよ。」

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– 是非その本も読ませていただきます!

手塚治虫の愛した味「一番飯店」。店長はこの他にも手塚治虫に関わるエピソードをいくつか披露してくれたのだが、常に笑顔でそれらの話を振り返っていたのがとても印象的だった。

そんな笑顔の店長と話せば、手塚治虫をはじめ、高田馬場という街で愛されてきたこのお店の魅力をより強く実感できることだろう。

 

 

アトム&ウランちゃんのくりまんにかぶりつく!「お菓子処 青柳」

高田馬場の街ではアトム通貨の取り扱いだけでなく、手塚治虫作品をモチーフにした商品も販売されているが、その中で「くりまんアトム」なるものを販売しているお店があると耳にして「お菓子処 青柳」へ向かった。

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– すいません、くりまんアトムってありますか?

青柳 「はい、くりまんアトムの詰め合わせを買って頂いた方にはアトム通貨をお渡ししていますよ」

「ちなみに、詰め合わせにはウランちゃんまんじゅうも入っています。」

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– 美味しそうですね!詰め合わせを一つください。

青柳 「では、商品とアトム通貨をどうぞ。」

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– ありがとうございます!

 

 可愛らしいアトムとウランの顔にかぶりつくのは若干気が引けてしまうけれど、思い切ってガブリ

 

あんこがたっぷり入っていて非常に美味しいアトムとウランちゃんのくりまん。手塚治虫の街、高田馬場のおみやげとして、是非おすすめしたい一品だ。

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また今回は購入しなかったが、この青柳では手塚治虫が愛した更科まんじゅうも売っているんだとか。

 

色々なお店を渡り歩き、様々な人と出会って手に入れたのはアトム通貨だけではない。この通貨のおかげで、得られた沢山の出会い、それもまた地域通貨がもたらしてくれた宝物。そんな素敵なアトム通貨を作り上げた人に話を聞くべく、訪問の仕上げとして手塚プロダクションに向かった。

 

〜次回「手塚プロ編」へ続く〜