伊藤 大成
1990年、神奈川生まれ。島とメディアをこよなく愛する25歳.

© Volkswagen Group Japan K.K.

戦後70年の間に最も人々に愛された輸入車、フォルクスワーゲン「ビートル」

前回の記事では、戦前のドイツに生まれた車が、戦後の日本に人々に愛されるようになった歴史と背景をご紹介しました。

前回記事に引き続き、フォルクスワーゲングループジャパン広報の池畑さんに今年から始まったゴキゲン♪ワーゲンキャンペーンとフォルクスワーゲンの魅力についてお伺いしました。

   

「ゴキゲン♪ワーゲン」の裏にある想い 

‐ゴキゲン♪ワーゲンというキャンペーンが始まりました。

池:ゴキゲン♪ワーゲンのキャンペーンは、先程お話したビートルやワーゲンカルチャーの延長線上にあるものです。

60年近い歴史の中を持つ日本のフォルクスワーゲンがお客様に「ワーゲン」と呼ばれているのは、嫌な意味の略し方ではなく、フォルクスワーゲンのブランド自体に親しみを込めて呼んでもらっているものだと思っています。

‐確かにワーゲンには単なる略称以上の響きを感じますね。

池:フォルクスワーゲンにはビートルやゴルフ、ポロを始めとした様々な車種が展開しています。

ですが、このキャンペーンを始めることによってユーザーの方々が車種の名前ではなく、「ワーゲンに乗っているんだ」と言えるようになれば良いなあ、とは思っています。

‐海外では同様のキャンペーンが展開されているのでしょうか。

:海外では特にキャンペーンは行っていませんが、ワーゲンユーザー同士がゴキゲンなやりとりをしているんですよ。

例えば、ヨーロッパのワーゲンユーザー達は、こんなフィンガーサインを使ってやりとりをしているそうなんです。

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‐まさに「ゴキゲン」なサインですね(笑)

池:そうでしょう(笑)日本でもビートルやType2といった空冷エンジンを積んだワーゲン車に乗っているユーザー同士は、挨拶をしたり声を掛け合ったりする文化があるんですが、それ以外のワーゲン車ユーザーも含めて、みんなでゴキゲンになれるようになればいいなあ、と。

‐最近テレビで放映されている「ゴキゲン♪ワーゲン」のCMには新旧の車が登場しますね。

池:あのCMも結局は、ワーゲン乗りみんなで楽しもうよというメッセージがあります。モデルや車の製造年数に関係なく、ワーゲンをみんなで楽しもうよ、みたいな。

‐何回かCMを拝見しましたが、とてもワーゲンらしい素晴らしいCMだなあと。

池:私ぐらいですよ。文句を言っているのは。

‐と、言いますと?

池:だって私の乗っている75年のビートルと比べて現行のザ・ビートルでは、パワーは3倍、燃費は倍ですよ!?

‐(笑)

 

戦後70年を生きるワーゲンの「継承」と「進化」

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▲現行のザ・ビートルと初代ビートル © Volkswagen Group Japan K.K.

池:でも、こんな冗談を言えるのもフォルクスワーゲンがとても長い歴史を歩んできたからこそなんですよね。

‐ビートル以外の車も非常に長い歴史を持っていますよね。

池:ビートルに関して言えば、終戦後から70年近い歴史がありますし、メインの販売車種であるゴルフも、1974年の初登場から40年が経っています。

‐ここまで歴史のある車を作っていけるのは何故なのでしょうか。

池:それはドイツの人々が「諦めない車作り」をしてきたからです。

これは何かというと、きちんと技術の継承を続けているという事です。

現行のザ・ビートルも初代ビートルへのリスペクトしてる部分が多い車ですし、ゴルフシリーズもフルモデルチェンジをした時に大幅なデザインを変えたりする事はありません。

11139680675_1a2402af64_z ▲ゴルフの最新モデル「ゴルフⅦ」  photo by Robert Basic

18040964549_b7ba02331b_z ▲一番最初のゴルフ「ゴルフⅠ」photo by Jeremy

その理由を本国の人々に聞くと「なぜゴルフのデザインを変える必要があるんだ?」という答えが返ってきたりします。

 

‐デザインや技術を新しい物に変化させていく今の日本の自動車作りとは対象的に思えます。

池:日本の自動車メーカーも昔は技術の継承を続けていたんですが、今はハイブリッドなどの新しい技術にこだわり、昔からの技術をぶつ切りにしてしまった。変わってしまいましたね、日本の自動車メーカーは。

‐フォルクスワーゲンは今後どのような車作りをしていくのでしょうか。

池:フォルクスワーゲンの今後の車作りを語っていくにあたり、3つのキーワードがあります。1つ目にMQB、2つ目にコネクティビティ、3つ目はパワートレーンです。

MQBとは、最新のゴルフから導入されたプラットフォームとなります。

いわゆるシャーシを車種やグレードを問わず、幅広い車種で共有できるようにしようということです。

‐MQBを導入するメリットは何なのでしょうか。

 

池:MQBを導入するのは、環境負荷を減らすというのはもちろん、安全装備を安いモデルや高いモデルなど関係なく共通化させましょう、という目的があります。

我々はこれを「装備の民主化」と呼んでいます。

モデル感の違いがなくなることにより、多くのお客様に親しんで頂けるようになるかと。

‐なるほど。

池:それから、コネクティビティという言葉が自動車業界で出てきています。通信を使って車自体がappleやGoogleと連動して様々な機能が使えるようになる。

つまり、ITを駆使してより快適に運転できるようにしていこうという物です。このような技術は、今後出てくる自動運転の技術の入り口となるようなものです。

最後にパワートレーン。自動車を動かすための燃料から電気へと徐々にシフトしていく予定です。

現在国内では、既に販売中のe-up!と年内販売予定のe-Golfがありますし、海外ではスポーティーモデル「ゴルフGTI」のハイブリッドバージョン、「ゴルフGTE」が販売されています。

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▲海外で発売中のゴルフGTE © Volkswagen Group Japan K.K.

この車は燃費がいいのはもちろん、非常に乗ってて楽しい車なんですよ。

ハイブリッド車に馴染みのある日本の皆さんはこれに乗られたらびっくりすると思いますよ(笑)

‐車好きの私には楽しみでたまりません!最後にフォルクスワーゲンのブランドの魅力について教えてください。 IMG_8581

池:うちのブランドってなんとなく親しげな所があると思います。決して金持ちに見えると

か、偉そうに見えるとか、そんな匂いがないブランドになっているというのは、ビートルが長年培ってきた財産ですよね。

ブランドの雰囲気は肩の力を抜いて「ラフに行こうぜ」という感じなのですが、物はちゃんと作ってお客様に提供している。このバランス感覚の良さが、フォルクスワーゲンの魅力なのではないでしょうか。

‐なるほど、ありがとうございました!