移住はできないけれど、ローカルで挑戦する人たちの後押しをしたい――。そんな想いを抱えた人たちに向けた新しいプロジェクトが、70Seedsで立ち上がりました。
名前は「ローカルヒーロー寺子屋」プロジェクト。日本中の「ローカルで何かをやってみたい」と思っている方々と、“やりたいことを形にした”先輩=ローカルヒーローをつなぐことで、一歩踏み出したい人たちの後押しをしていきます!
7月21日にはクラウドファンディングサイト「CAMPRIFE」で、寺子屋への参加者と支援募集を開始しました(URLはこちら)。本記事では、70Seedsがクラウドファンディングを始めた理由、ローカルヒーロー寺子屋プロジェクトにかける思いを編集長の岡山が語ります。
孤独を乗り越えるきっかけを作りたい
‐プロジェクトの概要について、あらためて教えてください。
岡山:ローカルのために何かをしたい、自分を試したいと考えている人と、実際にローカルで頑張っている人(ローカルヒーロー)を結び付けていく活動です。釜石側にとっては自分のビジネスをどう伸ばしていくか、足りないところを見つける機会としていただき、ローカルヒーロー自身の後押しをしていきたいと思っています。
東京から参加いただく方にはローカルヒーローの役に立つ、自分の能力を発揮するためのサポートや講座を開催することで、両者のマッチングにつなげることを目指しています。
(画像:プロジェクトの概要)
‐プロジェクトを始めたきっかけは何でしょうか。
岡山:2016年12月から、『大槌食べる通信』吉野さんと無印良品さんと「ローカルで生きる方法を考える」というテーマのイベントを定期的に開催してきました。その中で、参加者から「ローカルで何かをしてみたいけど、どうしたらいいか分からない」「何ができるか分からない」といった声をもらいました。そういった方々の声に応えたいと思ったのが最初のきっかけです。
また実際にローカルで頑張っている人にも多く出会いました。彼らが口をそろえて言うのは、仲間づくりが大変ということです。何かを取り組むときには、孤独が1番の敵だと思っています。私自身も70Seedsを新しく立ち上げる中で、共感して一緒に取り組んでくれる人がいることのありがたさを実感していたので、孤独のハードルを越えるきっかけを作りたいと思いました。
‐なぜ釜石という地を選んだのでしょうか。
岡山:たまたま「釜石ローカルベンチャーコミュニティ」が、釜石の地域資源を生かした新しい事業を創出する若者を募っていることを知ったのが始まりでした。6人選ばれたのですが、その1人に吉野さんが選ばれたことも理由の1つですね。
また、私が今の会社を立ち上げる前に東北の中小企業を応援する取り組みに携わっていたことも、中小企業やローカルのために何かしたいと思ったきっかけです。その時は釜石に10回以上足を運んで、セミナーやワークショップなどを開催していました。そういう意味では、釜石は僕にとって特別な町。今回のプロジェクトを通して、釜石に恩返しができたらいいなと思っています。
(写真:釜石ローカルベンチャーに参加する方々)
‐参加者(門下生)は、具体的に何をするのか教えてください。
岡山:これまで70Seedsで登場していただいた方を講師に招いた講座を受講し、釜石の方々とタッグを組んで課題解決に取り組んでいただきます。ブランディングや商品開発、ファン作りなど、何に取り組むとしても必要な力を身につけられる場です。寺子屋の開催地は東京ですが、オンラインで配信も行う予定なので、東京以外の方にもセミナーを受講することができます。
また参加できないけど応援したいという方のための枠や、釜石の特産品をお送りするリターンなどを設けているので、釜石を応援したいという思いを持つ方にも参加してほしいと思っています。
‐どんな方に参加してほしいですか?
岡山:大きく2つあります。1つは釜石にゆかりがあって、いずれ何かやってみたいと思っていた人です。震災後に復興支援で訪問して、今は離れてしまっている人は多くいるのではないでしょうか。吉野さんとよく話しているのですが、支援している側が逆に受け取ったものって大きいと感じていて……。そういうときに感じた「釜石にまた行きたいな」という気持ちを、今回のプロジェクトをきっかけに実現してもらえると嬉しいです。
2つ目は、自分のスキルを試したいという方です。「もっとこういうことがしたい」「プライベートでも人の役に立ちたい」とか、普段の仕事の中で少しモヤモヤしている人がいると思っています。その人たちのための場所が、このプロジェクトにはあります。
クリエイティブな仕事ができないとダメということはなくて、自分がローカルのためにできることを探すとか、寺子屋を通じて“できること”を作る形で参加してほしいです。
‐プロジェクトの今後の展開について教えてください。
岡山:釜石と東京でつないだ方が、講座が終わった後も関わりを持って一緒に取り組むことが1つのゴールです。さらに今後は釜石を起点に始まった枠組みが、さまざまな地域で取り組まれるようになったら良いなと思っています。定住人口を増やすのは難しいけれど、関係人口を増やすことで町の魅力を高めることが各地で注目されています。ローカルヒーロー寺子屋プロジェクトが、町のために何かしたいと思う関係人口を増やすための1つのヒントになると嬉しいです。
‐最後に一言、熱いメッセージをお願いします!
岡山:何かに挑戦しようとしたときに、必要なのはスキルじゃないと思っています。飛び込む勇気だったり、きっかけを作ってくれる人間関係だったりすると思うんですよね。このプロジェクトをきっかけにしてほしいし、スキルに不安がある人でも自分の力を伸ばせるようなプログラムを考えているので、不安に思わないでほしいです。
釜石には「熱い想いを持つ人」と「オープンな風土」があり、何かを始めるには魅力的な地域だと、私が自信を持ってオススメできます。ぜひ、ご応募ください!