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戦後復興のシンボル神田明神が語る「ラブライブ!」コラボの真相

 

東京・千代田区にある神田明神。730年、今から約1300年前に創建され、戦時中の東京大空襲を耐え抜いた神社という歴史を持つ由緒正しい神社ですが、最近はあのTVアニメとコラボしたことで有名になり、若者も多く訪れているんだとか。
今回はそんな神田明神の数奇な戦後の歴史を紹介します。

 

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神田明神:江戸東京に鎮座して1300年近い歴史を持つ神社。現在は東京千代田区外神田大手町の地に鎮座している。縁結びの神様である大己貴命(だいこく様)、商売繁昌・医薬健康・開運招福である少彦名命(えびす様)、厄除けの神様である平将門命(まさかど様)を祀っていて、2年に一度、神田祭というお祭りが盛大に行われる。今回お話を伺ったのは、広報担当の岸川さん。

 

 

神田明神 キャラ

▲「ラブライブ!」に登場するスクールアイドルの一人「東條希©2013 プロジェクトラブライブ!

 

ラブライブ! School idol project:2010 年より、サンライズ、KADOKAWA、ランティスの三社によって行われている、スクールアイドルプロジェクト。2013 年に放映された TVアニメが人気を博し、2015 年には、出演声優達による単独 2days 公演をさいたまスーパーアリーナスタジアムモードにて成功させた。TVアニメでは、スクールアイドル「μ’s」の一人である「東條希」が神田明神で巫女として働いている。

 

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−東京大空襲にも耐え、戦後復興のシンボルとなった神田明神。まず、神田明神の成り立ちについて教えて下さい。

 

神田明神が誕生したのは、西暦730年になります。元々ここではなく平将門公の首を祀る将門塚という場所の近くに創建されました。

 

その後、1616年に徳川家康公の開いた江戸幕府によって江戸城が拡張され、区画整理の為今の神田明神がある場所に遷りました。「江戸総鎮守」として江戸の 全てを守る神社として、明治時代には東京の守護神として崇敬されました。

 

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(写真:神田明神所蔵)

 

-最初は別の場所で始まった神社ではあるものの、外神田の地で長い歴史を築かれているのですね。

 

そういうことになりますね。

なお、その後の大きな出来事として、1923 年に関東大震災の際に神社の社殿が焼失してしまいます。その後、1934 年に日本初の本格的な鉄骨鉄筋コンクリート造の社殿が再建されました。耐震耐火構造持った社殿であったおかげで、戦時中の東京大空襲によって外神田・秋葉原一帯が焼け野原になった中、当社の社殿は難を逃れる事ができました。

 

終戦直後神田明神

▲終戦直後の神田明神(写真:神田明神所蔵)

 

-秋葉原全体が空襲によって焼け野原になってしまった中、神田明神の社殿だけが唯一残っていたと。

 

残念ながら、社殿以外の建物に関しては焼けてしまいましたが、社殿だけはわずかな損傷のみで戦火を耐え抜きました。そうして残った社殿は、後年には戦後復興のシンボルになっていたとも言われています。

 

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▲昭和27年、戦後初の神幸祭(写真:神田明神所蔵)

 

-神田明神としては、街の戦後復興にどのような形で関わっていたのでしょうか。

 

神社としては、お祭りの為のお神輿を次々と作っていきました。町のシンボルであるお神輿が復活していく姿を見て勇気付けられた町の人々が、街の復興を頑張っていったという話が残っているそうです。

 

 

神田明神と「ラブライブ!」話題コラボの真相を聞く

 

 

神田明神 絵馬 ©2013 プロジェクトラブライブ!

 

-2013年に放映されたTV アニメ「ラブライブ!」では神田明神が関わっていらっしゃいますね。

 

はい。神田明神としては、作品中の舞台として登場させて頂いたり、「ラブライブ!」に登場するμ’sのメンバーたちが描かれている絵馬やお守りを授与させて頂いています。

 

-神田明神は様々な作品との共同企画を行っていますが、いつ頃からそのような取り組みを行われたのでしょうか。

 

「ラブライブ!」に関しては、爆発的な売れ方をしたので、取り上げ方も大きくなっています。ですが、我々は今まで秋葉原で有名な「あのご当地アイドル」や「ケロロ軍曹」といった人気の作品と共同で企画を行っています。

 

さらに歴史を遡ると、明治時代には歌舞伎の人気役者と神田祭をコラボさせた浮世絵が作られたりしていますし、昭和に放映され大ヒットした時代劇ドラマ『銭形平次』の記念碑が当社の境内にあり、多くの人が見にきています。

 

御守(正面)

神田明神と「ラブライブ!」がコラボして作った御守 ©2013 プロジェクトラブライブ!

 

-時代に合ったサブカルチャーとコラボされているのですね。

 

ですね。なので、今回の「ラブライブ!」との試みは、我々にとっては「昔からやっている普通のこと」なんです。

 

-ちなみに、町の方々の反響はどうだったのでしょうか?

 

先日の神田祭には多くの「ラブライブ!」のファンが訪れましたよ。テレビ報道で言われるようなトラブルもなく、街で神輿を担いでいる人たちも、「お祭りを盛り上げてくれるならありがたいじゃない。」という感じです。何もお祭り自体が 変わるわけでないですし。

 

-いい共存関係ができているのですね。近年いわゆるアニメによる地域おこしが流行っていますが、「ラブライブ!」とのケースはそのような意図のコラボではないということでしょうか。

 

そのような意図は特にありません。

 

-ではなぜ今回の取り組みを?   

 

我々としては今回のようなコラボは参拝者の楽しみの一つになればいいと思い取り組んでいます。周りの人々も喜んでくれ、何より多くの方々が神社に来て頂けるきっかけになれば、と思っています。

 

-今回のコラボではどのような成果がありましたか?

 

基本的に神社によく来るのは、高年層の方々や家族連れ、それから女性の方々も多いですね。そんな中、若い男の人たちというのはなかなか神社に来ることはありませんでしたが、今回のコラボによって来て頂けるようになったと思います。

 

 

神社の伝統を守るだけではなく、作り上げていく。

 

 

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▲神田祭の様子(写真:神田明神所蔵)

 

-こういった取り組みを行っているのは、理由があるのでしょうか?

 

神社というのは伝統的・歴史的なイメージが強いかもしれませんが、実際に参拝にいらっしゃるのは、今を生きている人々なんです。今の人たちのために神社があると言っていいでしょう。

 

-なるほど。

 

神社の伝統は守るものではなく、作り上げていくものなんですよね。現代の東京にはお神輿がたくさんありますが、大抵が大正時代か戦後に作られたも のです。実はそんなに古くない文化なんです。その時の伝統は、その当時の人たちが作っていくんですね。古い伝統を守るだけでなく、新しい物もどんどん取り入れていく。お祭りや神輿はその理想形だと思っています。

 

-皆さんに楽しんでもらうことが時代によって変わっていくだけ、ということですね。

 

そういうことですね。今の時代の新しい取り組みも、後々には伝統として見られる可能性があるという事です。例えば、今神社に飾っている「ラブライブ!」 のポスターやお守りも、もしかしたら100年後には立派な伝統になっているかもしれませんよ。

 

劇場版ラブライブ!

 

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©2015 プロジェクトラブライブ!ムービー

 

 

 

 

 

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dito

島系男子 

 1990年、神奈川生まれ。島とメディアをこよなく愛する25歳。