2017年も残すところ後2日。いつも読んでくださっている読者のみなさま、今年もありがとうございました。2015年に「戦後70年の“知らなかった”と出会う」というコンセプトで始まり、2016年に「ハートに火をつける」Webメディアとして生まれ変わった70Seeds。

 

2017年には、記事で紹介した方々の商品をそのまま買えるオンラインショップ「70Seeds STORE」をオープンするなど、私たち自身もさまざまな挑戦を続けてきました。

 

2017年は計140本の記事を掲載。今年ラストとなる記事はその中から、編集部メンバーが選んだオススメの1本を紹介したいと思います。皆さんの印象に残っている記事は何ですか?

 

いいことだけじゃない、リアルの中にある本当の価値|岡山 史興

【記事】

豪雪限界集落、区長の本音-「子どもに帰ってこいとは言えない」まちに起きたこと

 

【選んだ理由】

今年の3.11の日に訪れた、新潟県の限界集落の話です。

 

この取材は、その後の地方取材における視点の持ち方や伝え方の方向性に大きな影響を与えてくれました。

 

「若者、ばか者、よそ者」というフレーズはよく聞きますが、上っ面で語られることがあまりにも多い。

 

キーワードに思考停止するのではなく、その結果どうなるのか、そこに住む人たちが本当に幸せになるためにどうしたらいいのか。

 

そんな問いに対するひとつの解を見つけた取材でした。

 

そんな視点は地方取材に関わらず、下記のような別テーマでの記事にも強く反映されています。

そんな意味も込めて、今年もっとも私の「ハートに火をつけた」1本に選びました。

 

「塾代サポート」は学歴社会を広げませんか?-スタディクーポンに聞く学校外教育の価値

社会を憎んだ少年が「利他」に生きる大人になったわけ-徳谷柿次郎さんインタビュー

 

これは広く伝えなければいけないと強く感じた|鈴木 賀子

 

【記事】

日本古来のワタを次世代へ。衣を自給自足する生き方と「本当のコスト」とは

 

【選んだ理由】

この取材は、今年一番私の「ハートに火をつける」インタビューでした。

 

衣食住の「衣」。単語でも一番最初に来るほど意味があるものを、私たちは適切な値段で手にしているのか? 速い・安いで物を手に入れることが主流になってきたなか、仕組みで見えなくなってしまい、意識から取りこぼしているもの。これは広く伝えなければいけない、と強く感じたのです。

 

以前の私は、オーガニックコットンの魅力に対して懐疑的でした。でも実際に触ってみて「やわらかく暖かい気持ちが良い」と感激したのを覚えています。

 

そして弊社のミッションは「意志あるところに道をつくる」です。ご夫妻で数10年取り組まれてきた鴨川和綿農園の活動を伝えることは、意義があることだと思いました。

 

興味を持たれた方は、ぜひ田畑さんの書籍を手にとって見てください。自分の着ているものに対しての考え方が変わるかもしれません。

 

誠実に物事へ向き合う姿勢を多くの方に知ってほしい|吉田 瞳

【記事】

日本で3人だけの「銭湯絵師」。 最年少の銭湯絵師と地域の人々が描く風景

 

【選んだ理由】

銭湯には必ずある富士山などの絵。この銭湯ペンキ絵を専門に描く、「銭湯絵師」という職業があります。その中でも唯一の若手である、田中みずきさんへのインタビューです。

 

丁寧に絵と向き合う田中さんの姿勢が印象的でした。自分もそんな人でありたい、と思わされた取材となりました。誠実に物事へ向き合う彼女の姿勢を、より多くの方に知っていただきたい。そう思い、今回この記事を選びました。

 

生きることに真剣に向き合う姿勢がステキだった|庄司 智昭

【記事】

“普通側”の私が、憧れた都会を離れて見つけた「居場所」【徳島県神山町】

 

【選んだ理由】

私が、初めて70seedsに書いた記事をピックアップしました。徳島県神山町は大学生のころに訪れた地域で、そのときに今回取材させていただいた渡邉さんに出会いました。

 

証券会社を辞め、悩みながらも神山町で生きるという決断をした話を聞き、生きることに真剣に向き合う姿勢が素直に「ステキだな」と思ったことを覚えています。そんな渡邉さんに70seedsの取材で、移住までの背景や今取り組んでいる「神山しずくプロジェクト」の話を聞けたのは、私自身の生き方を考える上でも非常に良い機会となりました。

 

しずくプロジェクトのタンブラーは、70seeds STOREでも販売しています。私も実際に買いましたが、杉ならではの木目が美しく、大切な方にプレゼントとして贈ると非常に喜ばれるのではないかと思います。ぜひ一度お手にとってみてください。

 

ファッションとの向き合い方を考えられる記事|ウィルソン 麻菜

【記事】

僕はゴミを売ってきたのか?ーアパレル業界に問いかける「ニーズがなくならない」ものづくり

 

【選んだ理由】

私はずっと「ファッション」や「流行り」に疑問を感じていて、服を買うのも好きではありませんでした。学生時代に国際協力を学び、ファストファッションの作り手の現状を知ったことで余計に「服嫌い」になっていたような気がします。

 

でも、この記事を読んで「こんな考えで服を作っている人がいるんだ!」と嬉しくなったのが、今回選んだ理由です。人を大切にする洋服作りを知ることで、自分自身がファッションとの向き合い方を考えられる記事となっています。

 


 

いかがでしたでしょうか。2018年も皆さまの「ハートに火をつける」ストーリーを紹介していきたいと思っていますので、引き続きご覧になっていただけると嬉しいです。

 

また70seedsでは「意思」を持ち、世の中に新しい価値を生み出そうとしている方々の情報発信や経済的持続性を支援する活動に取り組んでいます。興味があるという企業や団体の方がいらっしゃいましたら、ぜひこちらから問い合わせください。それでは、よいお年を!