藤田 郁
京都出身。IT企業、戦略PR会社を経て、2016年より70seeds編集部に所属。主なテーマは、地域、食、女性の生き方、ものづくり。"今"を生きる人たちのワクワクする取り組みを追っています。

2017年8月、渋谷ヒカリエで開催された物産展「SHIBUYA WANDERING CRAFT 2017 ECO」。その企画展の一つであるマーケット「エコアドベンチャー展」で、70seedsが運営する”ストーリーを買えるセレクトショップ”『70seeds STORE』が初めてリアルな場に出展しました!

 

私たちの出展期間は8月25日(金)~ 8月28日(月)の4日間と短い間でしたが、たくさんの方にブースに立ち寄っていただきました!お忙しいなか、ご来場いただき誠にありがとうございました。

 

『70seeds STORE』では、70seeds 編集部が様々な方のインタビューをとおして出会った、素敵な商品を紹介してきました。ただ単に「いいモノ」ではなく、知ればきっと誰もが心動かされるそのひとつひとつの背景や想い、すなわち”ストーリー”も一緒にお届けしたいと思っています。

 

オープン以来、そんな想いを胸に持ち続け、この度参加した渋谷ヒカリエでの「エコアドベンチャー展」。大盛況のうちに終了した『70seeds STORE』出展の様子をお届けします!

 


 

会場は、渋谷ヒカリエ8階の中心に広がる開放的なイベントスペース「8/COURT」。

 

「SHIBUYA WANDERING CRAFT」はWonderful(驚き)をもってwandering(歩き回る)する物産展。2017年開催のテーマは”エコ”です。その中のひとつとして開催された、『70seeds STORE』が出展した「エコアドベンチャー展」は環境にも人にも社会にも良いライフスタイルを、楽しみながら冒険的に実践している「エコアドベンチャー」なマインドにふれる企画展。さまざまな分野から、大人もこどもも一緒にワクワクできるプロジェクトやプロダクトが集まりました!

 

そしてここが私たち『70seeds STORE』のブースです!コンセプトはもちろん「ストーリーを買えるセレクトショップ」。

 

商品を見て触れていただくだけではなく、商品や作り手のストーリーをその場で体感してもらうため、それぞれの商品に70seedsのインタビュー記事をもとにしたPOPを作成し、編集部スタッフが語ります。ブースにお越しいただいたお客様の多くも立ち止まってじっくり読まれたり、さらに強い興味を持っていただけました。

 

出展商品のなかでもきわめて注目度が高かったのが、こちらの藍包丁。期間中、当店のビジュアル担当を務めてくれました(笑)。藍包丁は、大阪・堺市の刃物と徳島の藍染の伝統技術を掛け合わせてできた商品。企画開発を担当した坂元晃之さんは、この”職人コラボレーション”のコンセプトを掲げ、複数の産地にお金を生んだり、ジャンルの違う技術をコラボさせることによって、モノの価値の深堀りを目指します。(インタビュー記事はこちら)。

 

鞘までフルに施された美しい藍のグラデーションに、お客様も「これどういうこと?」と驚きを隠せない様子。そこでスタッフが鞘から抜いてみせると…牛刀のダマスカス紋様がキラリ。お客様からも「かっこいい!」と大好評でした!

 

そして特に主婦の方々からの人気が高く、在庫が全て完売(!)してしまったのがSHO SUZUKI NIIGATA のオリジナルソース。都会っぽさのあるおしゃれなデザインと、新潟県の山古志地域の特産品・かぐら南蛮や長岡の伝統野菜・巾着茄子など、新潟の豊かな自然に育まれた地元の食材を、目と舌で一度に堪能することができる一品です。

 

商品のプロデュースを手がけるのは、絶滅が危ぶまれる伝統野菜や未来へ安心・安全な食のバトンを次世代につなぐべく発信してきたSUZUオーナーシェフ鈴木将さん。外からの消費に頼らず、地元で循環できる「豊かさの継承」を作りたいと話します。外で評価されることで地元の魅力に気づくので、東京にアピールすることで地元に火をつけたいという鈴木さんの願いに、私たちの小さいブースを通じて少し近づけたような気がします。(インタビュー記事はこちら

 

なかには、長岡市ご出身の方や、奥様の実家が越路町だからと買って帰るお客様もいて、みなさんの、離れていても地元を応援したいという気持ちを感じることもできました。

 

そして、『70seeds STORE』出展商品のなかでも、本企画展のテーマ「エコアドベンチャー」と特に親和性の高い「TAKESUMI」と「ALL YOURS」については、ストーリーを体感する取り組みの一環として、作り手をゲストに招いたトークセッションを開催。

 

25日は、アパレルブランド「ALL YOURS」代表・木村昌史さんに話を聞きました。

 

「ALL YOURS」は木村さんが大手アパレルに勤めていたときに目の当たりにした、アパレル業界の”当たり前”である、3年前に決まった流行色に合わせて毎年新しい服がつくられ、売られていく流れに「捨てることを前提にしたゴミばかりつくっているんじゃないか」と疑問を感じ、立ち上げたブランド。「ALL YOURS」が志すのは、流行り廃りではなく、人間の生理的なストレスや不満を解消する服づくりです。(インタビュー記事はこちら

 

トークでは、現在取り組んでいるTシャツの再加工プロジェクトの背景やそこに込めた想いにについて語られました。

 

『70seeds STORE』で出展した商品はこちらのONE SWING PARKA。一見、普通のパーカーなのですが…コットンなのに面白いくらい水をはじくパーカーなんです!繊維にフライパンと同様のフッ素加工が施されています。ブースで実演すると、あまりの撥水効果にみなさんびっくりしていました!

 

26日に行われたトークセッションは竹炭インテリア「TAKESUMI」のデザイナー・南眞紀さんと。

 

日本の里山を深刻な「竹害」から守るために生まれた、竹炭インテリア・ブランド「TAKESUMI」。一時の竹炭ブームは、竹炭の消臭・殺菌といった「機能」をもっと安価に提供できないかという考えにつながり、化学製品で代替されたり、100均でも売られるように。生産にコストがかかる竹炭に「デザイン」という付加価値をプラスし、価格を適正なものにしようと取り組みます。南さんは、20年間竹炭アート・クリエーターとして活躍しています。(インタビュー記事はこちら

 

トークでは、日本の里山が抱える竹害の問題や、竹炭を活かした事業のあり方について話を展開しました。

 

当日は、「TAKESUMI」シリーズもずらりと展示。竹炭は、既にご自宅の冷蔵庫や下駄箱の中で利用しているなど、その機能についてご存知のお客様も多かったのですが、このようにインテリア、”見せる”竹炭として見るのは初めてという方がほとんど。外国の方からも人気のあった商品です。

 

….とこのようなかたちで、どの商品もこの4日間でたくさんの人に手に取っていただくことができました!
※本レポートでは紹介しきれなかった展示商品はこちら:

Hiragana

伝統茶 tabel

NOTO

梶山商店(近日公開予定)

書籍『ワタが世界を変える―衣の自給について考えよう』

書籍『ぼくらは地方で幸せを見つける』

 

あらためて期間中お越しいただいたみなさま、そして、今回の出展にあたりご協力いただいた関係者のみなさま、本当にありがとうございました!

 

オンラインだけでは得られなかった、お客様の反応を直接肌で感じ取ることができ、非常に良い学びとなりました。今後もこのような機会がありましたら、積極的に顔を出していきたいと考えています。

 

70seedsは、これからも「いいストーリー」を届けることで皆さまのハートに火をつけていける存在であり続けるため、より一層取り組んでまいります。